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2024.2.6 BODY

小陰唇縮小術の失敗

こんにちは。先日口唇縮小術についてコラムを書きましたが、宣言通り婦人科形成の内容でもコラムを書かせていただきます。

小陰唇縮小術の失敗についてお話します。

診察時に患者様に対してご不明点がないか伺うと、「この手術で失敗ってあるんですか?」と聞かれることがあります。その質問をいただいた場合には「逆に何が失敗だと感じますか?」と伺うようにしています。質問返ししないでほしいと思われるかもしれませんが、理由があって敢えて質問返しをいたします。

その患者様にとっての「失敗」の概念を伺いたいのです。

私から定義などを説明することは簡単ですが、医師からの意見を聞く前の素の状態で「失敗」と感じるものがその方の「嫌な状態」であると思いますので、完成イメージを擦り合わせる為に伺っています。

その結果大体の方が「切り残し」を挙げられます。当院では完成のイメージとして「大陰唇に全てが収まる様に」とお伝えしており、実際に患者様のお写真を用いてご説明しておりますが、◎cm絶対残します!というやり方ですと、この「切り残し」が生じやすいです。その方の大陰唇のボリュームが◎cm以下だとそのままはみ出てしまうからです。ただですね、一定の状況下では◎cm絶対残すというメリットもございます。どんな状況かといいますと、慣れていない女性、もしくは男性ドクターが担当の場合です。小陰唇の役割もよく分かっていない!くらいの方も多く、その様なドクターは小陰唇をゼロにしようとしてしまいます。当然ゼロにはしてはいけない部位なわけですから、数値化して◎cmという目安が必要になるのです。数値として決まっていれば理屈を分かっていないドクターが担当しても間違いないので、チェーン展開している場合などは必要なマニュアルかと思います。これは悪口でもなんでもなく、クリニックに限らずチェーン展開しているお店にはマニュアル化による一定の質というのがつきものですよね。というわけでその場合に限り決して悪いマニュアルではなく、むしろ◎cm残っている場合他院修正もしやすいので問題には思っていません。つまり多くの方が考える「失敗=切り残し」というのは医師目線での「失敗」とは異なるのです。

ではいよいよ、医師側が失敗と考える状態についてお話します。それは、「安全に手術(ダウンタイム中含め)を終えられない」これに限ると思います。小陰唇縮小術は美容整形の範囲であり、自由意思のもとで行われる手術です。その手術で麻酔のトラブルや、血腫、感染症など、大きく体に負担がかかる様な術後トラブルが起きることがまさに失敗なのではと感じます。もちろんその後の対応でハッピーエンドであればそれで良いかもしれませんが、七転八倒の様なダウンタイムをお過ごしいただくのはどうかと思います。

実はこの手術において感染というのはほぼリスクにありません。毎日手術をしている当院ですら1例も経験がないほどです。術後2週間経ってから急に2-3日下痢が止まらなかったという報告をいただいたことが過去に1度ありますが、そういうのは食中毒です。

ただ、血腫というのはリスクの中では一番確率が高く、私も毎症例で一番気にして対応しているものになります。出血が患部の内側に溜まってしまうことなのですが、それを放置してダラダラ血腫を許すと、神経も圧迫されていきます。これを防ぐには手術中にドクターが気をつける事はさることながら、ご帰宅後に患者様が「無理をしない」ことも大切になります。血腫によるトラブルは1例も起きたことがありませんが、ご報告をいただいた例で「血腫が起きていそうなので1時間圧迫をしてください。」とお伝えした例がございます。血腫が起きていそうであれば、まずは血を止めることが大切です。慌てて動き回るのではなく、その場で1時間圧迫していただく事を優先します。そしてその後の様子で受診や経過観察を考えるというのが大事です。その過去の例は順調な経過を辿っていたのですが、術後3週間で油断をしてしまい、1日かけて激しい運動をされた翌日に様子がおかしくなったとのことでした。この経験からも1ヶ月は血管が弱っているので油断をしないでくださいと皆様にお伝えしています。幸いこの方は1時間の圧迫指示を守っていただいた後、再度24時間ガードルの着用と内服+経過観察にて再手術なども一切なく事なきを得ました。もう1年以上経っていますが仕上がりも問題なく通常経過に落ち着いております。

術後の注意事項ってどこのクリニックでもあると思いますが、その注意事項を守っていれば滅多な事は起きません。注意事項はそのクリニックが経験を元に改良を重ねて最善の状態を確保するために作っているものになります。裏を返せばその注意事項を守れない場合仕上がりなどは保証されないですし、トラブルも起きやすくなります。

医師と患者様のお互いの協力で限りなくなくせるのが小陰唇縮小術の「失敗」です。怖い気持ちはお持ちいただくべきだと思いますが、肩の力は抜いて、やるべきことをやっていただければ大丈夫です。

一緒に頑張りましょう。それではとっても寒いので暖かくしてお過ごしください。

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